
(4)兵庫県南部地震入力時の脚部反力
?@1秒クレーン(アンローダ)
作業時の地震時反力を表1.5(1)1(2)に、また休業時を表1.5(3)、(4)に示す。
・3方向同時入力時の脚部反力は、作業時、休業時ともに自重反力を上回る引き抜き力が発生しており、脚が浮き上がることになる。このクレーンは作業時において、固有周期である1.84秒および2.55秒が卓越するポートアイランド観測波入力時に引き抜き力が最大となり、その値は自重反力の約2.4倍となっている。休業時においては、走行方向の固有周期が1.06秒であるため、この周期付近が卓越する神戸海洋気象台観測波で最大の引き抜き力が発生し、自重反力の約4.2倍にまで達している
・海脚と陸脚を比較すると、作業時、休止時とも海脚が自重を多く負担する(陸側の作業時約1.5倍、休業時約1.8倍)ため、陸側脚が浮き上がりやすい傾向となっている。
?A3秒クレーン(コンテナクレーン)
表1.6(1)、(2)に作業時の地震時脚部反力を示す。また表1.6(3)、(4)に休止時を同様に示す。
・3方向同時入力時の脚部反力は、作業時、休止時ともに自重反力を上回る引き抜き力が生じ、脚が浮き上がる結果となる。この引き抜き力は3秒クレーンの場合、ポートアイランド観測波に対するものが最も大きく、自重反力の約2.5倍になる。
・海脚と陸脚では、作業時の場合潮則に自重の多くがかかり(陸脚の約2倍)、休止時は逆に陸側に自重の多くがかかる(海脚の約1.5倍)ことから、作業時は陸脚が浮きやすく、休止時は海脚が浮きやすい結果となる。いずれにしても、兵庫県南部地震波に対しては、脚の浮き上がり(ロッキング)が生じるものと考えられる。
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